2013年06月01日 23:47 | Comment(0) | カメラ
KIEV88CM.jpg
 このカメラは十年くらい前に米国のカメラ屋へ新品を注文したもので、当時ハッセルの中古レンズ一本の値段で標準セットを二組買ってもまだお釣りがくる安さに呆れて、興味津々面白半分で購入しました。標準セットに色々おまけ付で確か$750くらいだったと思う。
 とにかく使えるレンズが豊富なのと驚くほどの低価格が魅力で、30ミリから180ミリまで海外のオークションで色々と入手しました。マウントはペンタコンシックスマウント、スピゴット式に変更されています。多分その関係で88CMと命名されたのだろうと思う。

 以前からハッセルは使っていたので、人前でKIEVを使うのは(見栄もあるし)ちょいとこっぱずかしい部分もありましたが、撮れる写真に遜色は無く、買った当時はフレクトゴンだのビオメターだのとツアイス・イエナのレンズを付けてよく撮ったものです。しかしそれもマイブームが去って、何年も防湿庫でほっておくうちに徐々にシャッターに鈍さが出始めてきました。間違った操作をした覚えは無いのですが、高速シャッター側の速度が出ない。晴天や雪景色は軒並みオーバー露光のオンパレードになるので余計疎遠になっておりました。
 今回、使えない(ほどではないが)カメラをいつまでもこのまま置いとくのもナニなので、思いたって分解して注油してみることにしました。昔一度だけサリュートを分解したことがあるので大体感じは分かっていたのですが、やっぱり一抹の不安は隠せません。記録用のデジカメを脇においてパチパチやりながらの解体となりました。

outside.jpginside.jpg 細かい話は端折りますが、ピントスクリーンを外し、巻き上げクランクのブロックを外し、スピゴットリングやシンクロ接点を外し、正面の革をはいで4本ビスを外せばインナーを取り出せます。他に革をはぐ必要はありません。
 内面反射防止用の華奢なブリキを注意しながら取り外すと大体機構の概観が掴めるようになるのですが、シャッターの細かい仕組みや改良にまではなかなか至りません。回転軸やギヤーなどに軽く注油して様子を見ることにしました。あまりやりすぎると手に負えなくなってくるので。

bottom.jpgrightside.jpg 一つ面白い機構を発見。シャッターの後幕リリース直後の初速の遅れを補うスプリングがあるようで(多分)、その調整が僅かに可能になっています。抜けないようにネジを少し緩めてネジごとスライドさせて調整します。今回ついでに少しテンションアップしてみたら、感じ、機敏になったような気がしないでも・・・ない。
 組み上げは解体作業を逆に遡ればよい訳ですが、巻き上げクランクのブロックを取り付ける際、ギヤーの噛み合わせがずれるとシャッター速度全般に影響が出てしまいます。最悪はシャッターチャージ、シャッター幕の巻上げすら出来なくなります。どうしてもいじっている間にギヤーが動いてしまうので、写真を撮っておくなりマーキングをするなりしておいた方が無難ですね。とはいいつつ、この部分は何度も何度もやり直す羽目になりました。それもこれも、やってみて初めて解ったことなんですが。

parts.jpginside2.jpg 結局、高速シャッターの速度低下はこれが原因とまではっきりとは解りませんでしたが、ちょっとの調整と注油で多少動作が軽やかになって、速度も幾らか改善しているような感じがします。潤滑油が回って、もう少し動きが馴染んでから改善してくれるととっても有難いんですがねぇ・・・